SONY CCD-TR55(1989)修理編
いつもは何の出物もない片田舎のハードオフ…やっぱりいつも変わらぬジャンクたちがお出迎え。
まぁなんもないよなぁ、と思いながら青箱に目をやるとこんなものが。
「パスポートサイズ」のキャッチで一世を風靡し、当時VHS-Cに劣勢だった8mmが急逆転することになったという、あの名機です。
本体のみでしたが、500円ならまあまあでしょうか。
なんかつやつやしてるな、と思ったらすぐベタベタになるラバー加工がきれいに剥がされてました。
で、動作は…録画、再生とも真っ白。ジャンクですね。
89年、ということでコンデンサが死んでいるのでしょう。いざ出陣。
いつもの矢印があるので分解は比較的簡単です。
ここから外れるようです。
マイク基板がありますね。
1人目を発見。47μF6Vです。場所に余裕があるのでリードタイプに置き換え。
はんだごてを当てると嫌な臭いが漂ってきたので、やっぱり死んでます。
本体側へ。外すべきコネクタはレンズ側の2つとバッテリーの1つです。
あとはフレキと一体化したここ。
コンパクトに納めるためかかなり合理的な作りになっていて、分解も楽です。
フレキの下にある基板、怪しいですね…
現れました。右上のあたりとか、見るからにやばそうです。
やっぱり外れました…死に物狂いでつけなおし。
その他、この基板に関してはコンデンサが多いのと、場所も狭かったので面実装タイプで交換しました。
カメラ基板には、この時期のハンディカムで確実に死んでいる金のコンデンサが1つ。
120μFとかいう変な容量です。場所には余裕があるので100+22でお茶を濁します。
あとは反対の端に220μF。これもやられてました。
カメラ基板は、このシールドにあるねじを外して持ち上げます。ご丁寧に矢印がありますね。
ねじを外したら、フレキ4本に気を付けながら持ち上げます。
アース線がありました。
姿を表したメイン基板。
…でも、思っていたほどコンデンサはおらず、ここの3つだけです。
場所も空いてるので、リード線タイプでOK。高さだけ注意です。
ちなみに、私は左下の47μFを外すのに失敗してパターンを剥がしてしまいました。
焦らず冷静に配線を追って(実際はかなり焦ってます)、ジャンパーを飛ばします。
あとは、ファインダー部にも怪しいのがいるはずなので見ておきます。
ねじ1本で開きました。小型ブラウン管が使われています。
小さくてもブラウン管です。高圧には注意。
金色のがいますね。
やはり、盛大に噴いてました。交換です。
そういえば、シールドの中見てなかったな、と見返してみたらここにも…47μF6Vです。
というわけで交換完了。よし!と電源ON。
再生はばっちり。鮮明な映像が出てきました。過去のライブラリー再生には使えますね。で、カメラモードへ。
…あれ?白いぞ???
ジャンパー飛ばしたところの不良や、パターンの断線を疑ったりしましたが、らちがあかないのでもう一台入手しました。
こういうとき、弾数の多い機種は助かりますね。
地味に珍しいグレー色です。
症状は再生NG、外部出力NG。不安定ながらファインダーにはCCDからの映像が出ているので、なんとかなりそう。
この個体、外観はかなり綺麗なのですが、出力回路回りが腐食していました。
写真上側の赤いコネクタ付近、緑青みたいなので凄いことに…
とりあえずコンデンサを変えてみて、修復を試みましたが方針転換。映像基板を最初の個体と入れかえてみます。
ちなみに、シリアルNoはグレー色のほうが若いのですが、基板のリビジョンは黒の方が古いものでした。
結構回路が変わっていて、コンデンサの数も違います。
カメラ基板は同じだったので、例の3つを交換。
黒個体のメイン基板+グレーのカメラ基板で動作確認です。やっと映像が出ました!
再生もOKですね。これにて、とりあえず1台復活。
残りもなんとかならないか、時間見つけてやってみましょう。
CCD-V900の地獄に比べると、比較的やりやすい機種でした。
2020/4/18作成開始