ミノルタのDimage Xから始まった「屈折光学系スタイリッシュデジカメ」のジャンルにDSC-T1で参戦したソニー。
T1は性能・デザインとも完成度の高い機種でたちまちヒット、従来のPシリーズに代わりTシリーズはメインの座に躍り出ました。
そんなTシリーズの中でも"1番ソニーらしい"と思ってるのがT7です。
T1、T3ときてT一桁シリーズ3番目となるモデルです。
なんといっても特徴は…
とにかく薄いんです。最薄部9.8mm。
後継機は手ぶれ補正やらで再び厚くなるので、未だに最薄なんじゃないかと思います。
「薄さへのこだわり」を徹底してます。
レンズバリアをスライドさせると、魅惑のCarl Zeiss Vario-Tesserが顔を出します。
にしても薄いです。
VAIO505Extremeなんかを思い起こさせます。
当時の批評では「ボタンが小さくて操作しにくい」などと言われていたようですが、これはそういう機種ではない気がします。
操作性がどうのというなら、他にも選択肢がたくさんあります。
最薄でスタイリッシュなのがこのカメラの武器なんです。(褒めすぎ?)
側面には刻印。こういう演出もソニーは上手いですね。
大型液晶…もいいのですが、注目すべきは操作ボタン。
普通は右側に配置するところ、レンズユニットと液晶が重なると薄く出来ないため、ボタンをレンズの裏に持っていくことで重なりをかわし薄くしてます。
このこだわりはまさにIt's a Sony。
ジャンク詰め合わせに紛れていた個体なので、バリアの凹みはご愛嬌。
SONYのロゴは彫りこみになってたり、いい仕事してますね。
日本生まれのVario-Tesser。銀のリングがワンポイント。
バッテリーはT7のために造られた?初採用のNP-FE1。
バッテリーふたもノッチがついていてカチッと開いたり、ほんとにいちいち心をくすぐります。
メモリースティックDuoです。この時代なので大容量のPROにも対応。
そして、特筆すべきはこの三脚穴。
ボディが薄くて普通の穴はつけられないので、一回り小さいねじが切ってあります。
ここにアダプターをつけることで普通の三脚が使えるように。薄型化のために徹底してます。
この「操作性を犠牲にしてでも薄さを極める」あたりが"攻め"のソニーらしい機種でした。
尤も、時代の流れには勝てず、次モデルからは手ぶれ補正を搭載し、ここまで攻めた機種は出ないのですが…
==試写してみる==
※基本カメラ任せのオート撮影です。画像はすべて縮小リサイズしてあるので、参考程度にどうぞ。
変な誇張もなく、素直に撮れます。
薄型ボディであることを差し引かなくても現役に耐えられそうですね。
原色系はくっきり写ります。
ちょっと暗いショーウィンドウの中も大丈夫。
原色の強い被写体は結構持ち上げてきますね。
さくさく動いて超薄型は街歩きのお供にもってこい。
そして、ソニー魂を感じられる1台です。
==主なスペック==
有効510万画像 1/2.5 CCD、原色フィルター、3倍ズームレンズ(35mm換算38-114mm、F3.5-4.4)
電源:インフォリチウムE(NP-FE1)
記録:メモリースティックDuo、メモリースティックPro Duo
2019/6/21作成開始