OLYMPUS CAMEDIA AZ-1(2004)
2002年、ミノルタから発売されたDimage Xは屈折光学系という、光学系を縦に配置してプリズムで屈折させる構造で、それまでの「ズームレンズ搭載機種は分厚くてでかい」という風潮から一転、「スタイリッシュな3倍ズーム」という新たなジャンルを産み出しました。
たちまち大ヒットとなったこのジャンル、ソニーのサイバーショットTシリーズやフジのファインピクスZシリーズなんかは成功し、その後シリーズ化されていくわけですが…
オリンパスも人知れず、実は出してたのです。それがAZ-1。
かなり斬新な外観です。ターゲットは20〜30代男性で、ガンダムあたりを意識してるとか。
いつものカメラ開発部署ではなく、新設された新しい部署の第一弾だったそうです(その後どうなったんでしょう…)
かつてのフィルムカメラや、マツダの2シーターと名前が被ってますが、こちらの正式名称は「CAMEDIA AZ-1」。
324万画像、1/2.7 CCDに3倍ズームはライバルのDimage Xg同等でしょうか。
充電スタンドにシールが残ってました。この機種の売りはなんといっても背面液晶。
デジカメ初のモバイルASV液晶で、「撮るだけでなく、そのまま電子アルバムとして持ち運べる」というコンセプトでした。
スタンドもディスプレイ側が表を向くようになっており、そのままデジタルフォトフレーム的に使えます。
しかし、スタイリッシュだったライバルと比べ、奇抜すぎるルックスと独特の操作性、
加えて液晶を頑張りすぎたのか5万円程度というカメラ性能のわりにお高い値付けとなってしまい、売れなかったそう。
何故かコジマ限定でさらにひっそり売られた後継機AZ-2は、残ったAZ-1の部品処理とも言われてます…
アグレッシブなシャッターボタン周りのデザインがいかしてます。
正面から。専用の"AZ"ロゴも作って気合い入ってます。
真ん中のランプはセルフタイマーで光る?
しかし、せっかくのスタイリッシュな屈折光学系なのに、レンズキャップ…
確かに壊れず確実ですが、ダサい感じが否めません。
他社はシャッター式かスライドカバーがほとんどだったので、逆に珍しいかも。
背面。見ての通り、かなり変わった操作系です。まず十字キーがありません。
側面には戻るボタンと機能切り替え、何故かこんな端に電源。
背面側にはズームとメニューボタンのみ。
…そして、この角についたタイヤみたいなのが「コントロールダイヤル」。これを回してメニューを上下に選択します。
確かに、明るく見易い液晶です。
メニュー画面はコントロールダイヤル用に新しく作られており、十字キーの4方向で選ぶ従来の方式とはだいぶ変わってます。
マクロもシーンモードから入らないといけないのは少し面倒ですが、スーパーマクロも搭載。
シーンモードは「一人旅」「寝顔」といった珍しいモードもついてて豊富です。
この頃のオリンパス独特の、7セグっぽい枚数表示は健在でした。カッコよくて好きです。
外部入出力はすべてスタンドを経由して行うため、本体側にはその接続端子があるのみです。
日本製。
中央にバッテリーとカードのスロットがあります。
メディア交換にふたを開けてもバッテリーが落ちないよう、バッテリーだけ二重のロックがついてました。
この時代のオリンパスなので、メディアはXDピクチャーカードです。
バッテリーは大ぶりのLI-20B。フジNP-60あたりと互換なので入手は容易。
ちなみにふたが開いてるとこんな警告が出ます。ちゃんとAZ-1の形してますね。
==試写してみる==
※基本カメラ任せのオート撮影です。画像はすべて縮小リサイズしてあるので、参考程度にどうぞ。
さわやかな写りです。
マクロ。どぎつい発色をするのも多いこの時代のデジカメですが、見た目に似合わずナチュラルな色合い。
露出も適正で、安定して使えます。見た目に似合わ(略)
このさっぱりした写り、妙に惹かれるものがあります。高原の避暑地に持ってきたい感じ(謎)。
望遠端。
マクロ。結構な実力派でした。見た目に(略)
操作性に癖はあるものの、それなりのポテンシャルを持ちながらも激戦の時代に散った悲運の名機…は言い過ぎですね。
でも、安く転がってたら拾ってあげてください。楽しいデジカメです。
==主なスペック==
324万画像 1/2.7 CCD、原色フィルター、3倍ズームレンズ(35mm換算38-114mm、F2.9-4.9)
電源:LI-20B(NP-60)
記録:XDピクチャーカード※大容量(2GBは読み込みますが、起動が遅くなりました。)
2019/5/31作成開始