フィルム時代には数多くの名機を産み出したリコーでしたが、デジカメに関しては「イメージキャプチャリングデバイス」と銘打ってビジネス用途を強く意識したユニークなモデル展開を続けていました。
その後、"Caplio"シリーズとして、普通のコンパクトカメラへと流れていくのですが…
CaplioGXは、フィルムコンパクトの名機GRを彷彿とさせる正統派なボディに、マニュアル機能も備えたハイエンドモデルとして登場。
古くからのリコーファンを沸かせた?リコー初期の本気なマシンを見てみましょう。
「GRのようなブラックボディで」…と書きたかったのですが、うちのはシルバーでした。
黒の方がよかったなぁ…と思っていたのですが、シルバーは限定モデルだったようです。
そうなるとシルバーも悪くないなと思うのが珍しい物にひかれる人間の性。
ホットシューにリコーの本気を感じます。
グリップの位置にアジャストダイヤルが付いてるところもプロっぽくてそそられます。
ホットシュー。デジタル一眼はまだまだ高嶺の花だった時代、こういう高級コンパクトで本気の撮影に臨む人も多かったのです。
リコーの旧ロゴがカッコいいですね。
コマンドダイヤルにSETUPがあるあたりに時代を感じますが、とくに不自由のない軍艦周り。
グリップのところはしぼ加工されてます。
Caplioのロゴが懐かしいですね。
背面。この時代にしてはくっきりした液晶で見やすいです。
「ADJ」ボタンを押すと露出補正やホワイトバランスの設定がすぐできるという気配り。
側面にひっそり接続端子が。汎用のminiUSBなのですぐPCに繋げられます。
3倍ズームのレンズ。28mmスタートは当時のデジカメとしてはかなり広角よりでした。
513万画像 1/1.8CCDはフラッグシップにふさわしいスペック。
こっちには電池とメディアの交換ふたがあるのですが、凝った構造です。
軽く1段階スライドさせると、電池が落ちずにSDの交換だけできます。
2GBのSDもちゃんと認識しました。
もう一段階スライドさせると跳ね上がり、電池交換が出来るようになります。
ふたが内部で二段になったような構造をしてますね。
SD+単三2本なので、今拾ってきても困らず助かります。
裏側。
DC-4は台湾製でしたが、これは中国生まれでした。リコーは比較的早くから海外生産をしていたようです。
レンズ周りのリングを外すとねじが切ってあり、別売りのワイドコンバーションレンズが付けられました。
==試写してみる==
※基本カメラ任せのオート撮影です。画像はすべて縮小リサイズしてあるので、参考程度にどうぞ。
かなりくっきり写ります。
圧縮されちゃってますが、水面の感じもよく撮れていました。
シャープネス強めですが、嫌いじゃないです。
ビジネス用途で鍛えた流れを引き継いでいるのか、屋内撮影もばっちり。
さすがに奥が飛んでますが、健闘してます。
"画素数が多いだけ"のカメラよりいいんじゃないでしょうか。
妙に空気感を切り取ってる感じ。
今でも現役で使えそうな1台でした。
古いデジカメは気になるけどハードルがなぁ…という人(いるのか?)の入門用にもおすすめです。
==主なスペック==
513万画像 1/1.8 CCD、原色フィルター、3倍ズームレンズ(35mm換算28-85mm、F2.5-4.3)
電源:単三×2本
記録:SD(2GBまで)、内蔵メモリ16MB
2019/5/31作成開始