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古いインバーターエアコンの修理(日立RAS-2567W/1989年製)

久々の更新で、しかもどこに需要があるのかわからない記事ですが…こんなものを入手してしまいました。

見ての通り、古いエアコンです。

日立のRAS-2567W、89年製とのこと。

当時は上から2番目くらいの機種だったらしく、お値段25万4000円の高級モデル。

日立ご自慢の「直流インバーター」にトルク制御、光センサー、トーク機能といろいろついています。バブルラジカセならぬバブルエアコンですね。

…いきなり分解です。

今回の個体はたまたまヤフオクを見てたら見つけたもの。「古いエアコンってどんなもんなんだろう」とつい好奇心で落札、丁寧な対応で無事到着。

室内機は長年の汚れが溜まっています。取り付け前にきれいにしておきましょう。

基板まわり。掃除のため一旦外します。

モーター周辺。この際なので熱交換器も外して洗いましょう。

送風ファン。なんと金属製でした。時代を感じます。

モーターは日立のマークがあるので自社製…と思いきやM印。

だいぶすっとばしてしまいましたが、ファンと本体はお風呂で長年の垢を洗い流し…すっきりしました。

正面のパネルはパールがかっていて凝ってます。さすがバブルエアコン。

では、綺麗になったし取り付けして電源入れて涼みましょう!

…とは問屋が卸してくれないのでした。

室外機のファンが少し回ってすぐ停止してしまいます。

内側に貼られたエラーの一覧を見るとLEDが4つ点灯、「ピーク電流カット」とのこと。

基板回りが怪しいので室外機もばらしていきます。インバーター機なのでそれなりに詰まってます。

メイン基板は側面についてました。部品に異常は無さそうですが、後述のパワートランジスタ故障の元になっていた可能性が高いので再半田をしておきましょう。年式が年式なのでついでにコンデンサも交換。

で、怪しいのがこのあたり…

左端についているのがインバーターの肝、圧縮機を駆動しているパワートランジスタ。三菱電機製のようです。

どうも、こいつがだめになっているようです。インバーターエアコンで電流や電源系の異常で室外機が回らない場合、ここが故障している可能性が高い様子。基板の半田クラックなどで過電流が流れてしまい、そのままお亡くなり…のパターンが多いようです。

ラベルを見ると97年製っぽいので、一度交換されているのかもしれません。

…かなり古いながら汎用品のようで、なんと部品がありました。

AliExpressで中国から取り寄せ、2週間くらいで無事到着。お値段1300円也。

新しいやつを元通りに取り付けます。

緊張の電源ON。

暫しの待機の後、無事回りだしました!修理完了です!

インバーターらしい、徐々に圧縮機の加速する音がして、室内機からは冷風が出てきました。

数分回したら部屋は冷え冷え、ばっちりです。

ちゃんと動いたところで、リモコンが欠品してたので適当なのを購入。

型番はRAR-1Z、恐らくこの機種の純正です。

背面にアンペア切り替えがついてるのがポイント。

この年代のエアコン特有の機能?本体にリモコンがしまえます。シーズンオフ時などに…ということのようですが、結局出しっぱなしにしちゃいますね。

今時の機種と比べるとめちゃくちゃ薄いです。

しばらく古きよき時代のエアコンを楽しんでみましょう。腐ってもインバーターなので電気代も恐ろしいことにはならないはず…

2023/7/2作成開始

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